イギリスのアスコット競馬場でロイヤルアスコット開催における最後のG1レース、クイーンエリザベスII世ジュビリーステークス(4歳以上、芝1210m)が現地6月24日に行われ、単勝81倍で最低15番人気タイのカーデムが、自身の前から押し切る構えの5番人気セイクリドをゴール前で差し切り波乱を呼んだ(クビ差)。
豪州から遠征したキャノンボール(12番人気タイ)がゲートで落馬し、15頭は馬場の中央に6頭、外ラチ側に9頭に分かれて進む。中央寄りでは豪州のジアストロロジスト(12番人気タイ)が集団をリードし、その背後からセイクリド、カーデムの順に縦列した。
残り2ハロンの手前から各馬が仕掛けるとセイクリドが手応え良く先頭へ。しかし、カーデムも余力十分に追撃して最後の1ハロンから2頭が抜け出し、ゴール前でカーデムが差し切った。20日のキングズスタンドステークス(2着)から中3日で臨んだ1番人気ハイフィールドプリンセスは、外ラチ側で集団を率いたもののさらに1馬身1/4差の3着までだった。
カーデムはC.ヒルズ調教師が管理するダークエンジェル産駒の7歳セン馬で、ハムダン殿下の所有馬としてデビュー。殿下の死後にシャドウェルが引き継いだものの、昨年1月に現在の馬主に売却された。売却の直前には去勢されており、昨年4月にG3パレスハウスステークスで重賞初制覇を飾ると、3カ月後のG2キングジョージステークスも連勝。今回はそれ以来の白星でG1初制覇とした。
英競馬メディア『attheraces.com』によると、ヒルズ師は「彼を6ハロンで走らせたかったんだ。去年は5ハロンのG2(キングジョージS)を勝っているけど、ブリンカーをはずして一流馬のように調教するべく取り組んだ」「正しく走るように。控えてきちんとレースするように教える試みをね。ジェイミー(スペンサー騎手)は完ぺきに乗ったよ」とスペンサー騎手を称えている。
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