英G1グッドウッドカップ(3歳以上、芝3220m)が現地8月1日にイギリスのグッドウッド競馬場で行われ、T.マーカンド騎乗のクイックソーン(7番人気タイ)が中間点を15馬身余りのリードで通過すると、仕掛けの遅い後続を尻目にまんまと大逃げを決めて波乱の使者となった。
スタート直後のコーナーに先頭で入ったクイックソーンが長く続く下り坂でペースを緩めず飛ばしたのに対し、残り10頭は2番人気のコルトレーンが率いる形で慎重に序盤を入る。折り返し地点を超えて上り坂に入ると、さらにクイックソーンのリードが広がった。
クイックソーンの大きなリードは最終コーナーを回っても変わらず、残り3ハロン地点でもコルトレーンに10馬身余りの差。後続が追い出したタイミングでクイックソーンもスパートし、アドバンテージを最後まで守り切った。
6馬身差の2着に後方3、4番手で直線に入った3番人気のエミリーディッキンソンが追い込み、コルトレーンはさらに短アタマ差の3着まで。1番人気のクラージュモナミは集団の真ん中で仕掛けが遅れ、勝ち馬から約8馬身差の6着で初黒星を喫した。
クイックソーンはH.モリソン調教師が管理するナサニエル産駒の6歳セン馬でG1初制覇。重賞での白星は昨年8月のG2ロンズデールカップ以来だが、当時も1番人気のコルトレーンに14馬身差をつける大逃げを決めていた。
殊勲のマーカンド騎手は「リズムに任せたんだ。どこに落ち着こうと、そこで行こうとね。確かに我々は昨年のロンズデールCでも(大逃げ)やったし、彼に乗る時は合っている感じだね。上手くいって良かったよ」「残り3ハロン標識で仕掛けた時にゴールまでもつのが分かった。彼に追いつく図抜けた能力の馬がいるかどうかだった。スタミナ豊富な馬に乗って、あんな感じのレースをするのはいい気分さ。ビッグパフォーマンスだったね」と会心の勝利を喜んだ。
一方、集団を率いる形になったコルトレーンのO.マーフィー騎手は「最初の1ハロンだね。ローンイーグルやタシュカン、ブルームら前へ行くと予想していた馬たちが行かないから、プランを変えてコルトレーンを最初のターンで行かせたんだ」「トム(マーカンド騎手)は凄く賢かったよ。クイックソーンをシャープなカーブに滑り込ませるように行かせた。あれらのターンはかなり鋭角だから、あまりスピードを出せない。それと同時に我々は曲がりながら上り坂に向かって後退し、彼はかなりのアドバンテージを築いていた」と勝負の分かれ目を振り返っている。
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